羊水検査に使う針

羊水染色体検査に使う針は株式会社八光 メディカル事業部製のPTC針を使います。元々は超音波断層装置のガイド下で胆嚢穿刺などを行うために作られた針です。長さは200mmで針の太さは23ゲージです。23ゲージの針は皮下注射や筋肉注射をする時の細い針です。超音波断層装置のプローブと呼ばれる部分に専用のガイドを固定して、そのガイドの中を通して使用します。千葉が循環病センターに勤務している時は同じ方法を用いて胎児採血を行なっていました。羊水中を浮遊する臍帯の静脈から血液を採取するのでミリ単位の精度が必要なのです。羊水腔はもっと広いので、ここまで精度を求めなくても良い場合もあるのですが、千葉産婦人科では胎児採血と同じ方法で安全に行えるようにしています。針が200mmと長いのは超音波でガイドするための長さが含まれているからです。200mmすべてがお腹のなかに入るわけではありません。株式会社八光 メディカル事業部とは羊水染色体検査や胎児採血の他にも胎児治療の用いる機器の開発でもお世話になりました。胎児胸水症と呼ばれる病気があります。様々な理由で胎児の胸腔内に水が溜まります、そのままにしておくと胸腔内の水が心臓を圧迫し心不全になり、ますます胸水が溜ります。この悪循環を断ち切るために胸腔と羊水腔の間にシャントと呼ばれる管を入れるのです。このシャント用の管を循環器病センターの千葉のチームと株式会社八光 メディカル事業部が共同で開発しました。当初は先進医療としての認可でしたが、現在は一般の保険診療として認可されています。この認可に至るまでの過程を先日の胎児治療学会で岐阜の岐阜県総合医療センターの高橋先生と国立成育医療研究センターの佐合先生がセミナーを行いました。写真(右)は開発チームの高橋、佐合両先生、株式会社八光 メディカル事業部の山岡様と千葉が一同に介したときのものです。